日程:2019年 6月7日(金)ー9日(日)
場所:駒場国際教育研究棟110室, 314室(東京大学駒場キャンパス内)
(ワークショップ参加には事前申込が必要です)
デモグラフィー研究の理論や手法の学習の場を提供するためにこのワークショップを開きます.これらのワークショップは今後年2回定期的に開催される予定ですから基礎から発展まで段階的に学習することもできます。
聴講者数: 各コース最大20名で打ち切りとします(先着順) 終了後渋谷あたりで懇親会を予定
時間割
6月7日(金) コース1(9:30ー18:00), コース5(9:30ー18:00)
6月8日(土) コース2(9:30ー12:30), コース3 Part 1(13:30ー18:30)
6月9日(日) コース3 Part 2(9:30ー12:30), コース4 (13:30ー18:30)
コース内容
(コース1) 「デモグラフィー」をやさしく学ぶ (担当:西村欣也 (北大・水産))
はじめに :個体の生死 (寿命、余命、期待繁殖齢)
「デモグラフィー」入門:個体の性質から生まれる個体群の性質 (個体群増加率、世代時間、繁殖価)
(注)「デモグラフィー」は、生物を個体-集団から理解するための分野です。個体数の変化をテーマとするので数学が活躍します。
そのため少し難しいものと思われています。しかし基本は中学と高校の数学知識で理解できます。本入門コースでは、そのやさしいところからじっくり学ぶことができます。コース1では入門的な知識の解説を行います。モデルと生き物の生活とのつながりを理解したい初学者向け。
(コース2) 「デモグラフィー」をやさしく学ぶ 2nd (担当:西村欣也 (北大・水産))
生物学における「デモグラフィー」:集団、個体の表現型、遺伝子を繋ぐ「デモグラフィー」(生活史、遺伝子型、適応度、進化)
(注)コース2ではコース1での知識と遺伝子型、適応度、進化との関係を説明します。コース1の続編。昨年11月のワークショップの西村講義の続きの内容
(コース3) 行列モデルを使った集団生物学 (担当:高田壮則(北海道大学))
行列モデルと様々な集団統計量:個体群増加率、平均余命、感度、弾性度
センサスデータデータへの応用:行列モデル利用の現在、生活史との関係
(注)行列モデルは、個体群動態を計算するためのモデルです。理論の発展とともに様々な統計量が開発され、保全生態学の分野などで活用されるようになりました。コース3では、基礎知識の習得やデータベース利用のために必要な基本概念を解説します。昨年11月のワークショップの高田講義の内容と同一。実際に使ってみたい、関連論文を理解するために学びたい人向けです。
(コース4) 行列モデルを使った集団生物学超発展版 (担当:高田壮則(北海道大学))
より高度な応用 :メタ個体群モデル、密度依存的行列モデル
マルコフ行列の応用:期待成熟年齢、齢別生存率の計算など
(注)コース4では、より複雑な状況でのモデルの作り方、扱い方やマルコフ行列に関連する統計量について解説します。線形代数の知識が必要。数理モデルを使いたい、関連論文を理解するために学びたい人向け。
(コース5) 個体群行列データベースCOMPADRE・COMADREの使用法(R演習とともに)」 高田壮則(北大・地球環境)
データベースの構成: metadataの中身、データから行列モデルを作る方法、検索方法
データベースの使用法:データの抽出、データを用いた計算方法
(注)コース5は、データベースを利用できるようになるために、R言語の解説から始まり、データベースの構成について概説し、実際に計算プロセスを演習形式で学びます。時間割上、コース1との重複受講はできません。実際にデータベースを見てみたい人向け。