はじめに

1941年にBernardelliによって個体群推移行列モデルが提案されて以来、約七十年が経過した2014, 2015年は、生物集団の人口統計学(demographic research)において画期的な時代の幕開けの年でした.というのも、マックス・プランク研究所(ドイツ・ロストック市)の人口統計学部門の研究者が主導して、推移行列モデルのデータベースが整えられ、COMPADRE(植物データベース)およびCOMADRE(動物データベース)という名前の公開データベースがオンラインで利用可能となったからです。これらのデータベースには、この70年間に蓄積された様々な動植物2200種の計1万2千個の推移行列が提供されています.各推移行列からは、この半世紀の間に開発された手法を用いて、各個体群の個体群統計量(例えば、感度、平均寿命、個体群成長率等)を求めることが可能であり、数多くの論文が出版されてきました.これからは、この推移行列モデルビッグデータを用いた、個体群統計量の統計研究の進展が期待されています.

そこで、このウエブサイトではCOMPADRE, COMADRE利用者の便宜を図るために、内容の詳細の説明、利用する際に便利な研究リソースの提供を行うことにしました.